こんにちは、岡山市ふれあい介護予防センターの管理栄養士です。
ちまたには、栄養にまつわる疑問であふれています。今回はその中でも、よく質問を受ける「卵は1日1個まで?」「野菜ジュースは野菜の代わりになる?」という疑問について、管理栄養士が答えさせていただきます。
【卵は1日1個まで?】
卵はコレステロールを多く含んでいて、食べ過ぎると動脈硬化の原因になる恐れがあり、以前は1日1個までが望ましいと言われていました。
その後研究が進み、コレステロールの8割は体内で作られ、食事からの影響は2割しかないと判明しました。さらに、健康な人は体内でコレステロール濃度を一定に保つ機能が備わっていることも判ったため、「卵は何個でも食べて良い」と一時期メディアなどで報道されました。
しかし、「1日に食べてよい卵の個数」は現在でも世界各国で多くの研究がなされており、医師間でも賛否両論あるのが現状です。
例えば、「卵は半分でも食べれば心臓病のリスクが高まり、死亡率も高まる(※1)」「高齢期で総コレステロールが高い方が、死亡率が低下する(※2)」「閉経後の女性は、卵摂取で乳がんのリスクがわずかに上昇する(※3)」という研究結果も発表されています。
これらを踏まえ総合的に判断すると、1日に食べてよい卵の個数は、健康な人は1日1~2個まで。自分や家族が、脂質異常症や糖尿病、がんの病歴がある人は更に控える方が良いと思われます。
また、脂質異常症と糖尿病は互いに悪影響を及ぼす関係性が明らかになっているため、主食(ご飯・麺・パンなど)の適量を守ることも大切です。その他にも、悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やすには、サバなど青背の魚を食べることも有効です。意識してみましょう。
【野菜ジュースは野菜の代わりになる?】
調理が苦手、買い物に何度も行けない、昨今の野菜価格高騰など、さまざまな理由で野菜が十分にとれず、「野菜ジュースを野菜の代わりにしているけど、大丈夫?」という質問をよく受けます。野菜ジュースは加工の途中で、「酵素」「ビタミンC」「ビタミンB1」といった栄養素の何割かが失われてしまいます。特に、野菜ジュースに含まれる「食物繊維」の量は圧倒的に少なく、濃縮タイプ野菜ジュースの100グラムあたり1.0グラムしか入っていません。(※4)
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の食物繊維必要量として、50歳以上の男性は20gグラムを踏まえ、野菜ジュースはあくまでも、野菜不足の補助的なものと捉え、旬の野菜を中心に食べるよう心がけましょう!
ちなみに、野菜は1日に350グラムをとることが推奨されています。350グラムの目安は、生の野菜を両手3杯分の量です。加熱すると、5品(汁物含む)の野菜料理くらいになります。
野菜を使ったレシピを添付しておりますので、ぜひ作ってみてください。
※1:American medical association 2019
※2:Schatz IJ al.Lancet,358:351-5,2001
※3:Breast Cancer.2014 May;21(3):251-61
※4:日本食品標準成分表示2020年版(八訂)
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