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健康コラム95

[2025年3月10日]

ID:5806

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「卵は1日1個まで?」栄養にまつわる疑問に答えます

こんにちは、岡山市ふれあい介護予防センターの管理栄養士です。

ちまたには、栄養にまつわる疑問であふれています。今回はその中でも、よく質問を受ける「卵は1日1個まで?」「野菜ジュースは野菜の代わりになる?」という疑問について、管理栄養士が答えさせていただきます。


【卵は1日1個まで?】

卵はコレステロールを多く含んでいて、食べ過ぎると動脈硬化の原因になる恐れがあり、以前は1日1個までが望ましいと言われていました。

その後研究が進み、コレステロールの8割は体内で作られ、食事からの影響は2割しかないと判明しました。さらに、健康な人は体内でコレステロール濃度を一定に保つ機能が備わっていることも判ったため、「卵は何個でも食べて良い」と一時期メディアなどで報道されました。

しかし、「1日に食べてよい卵の個数」は現在でも世界各国で多くの研究がなされており、医師間でも賛否両論あるのが現状です。

例えば、「卵は半分でも食べれば心臓病のリスクが高まり、死亡率も高まる(※1)」「高齢期で総コレステロールが高い方が、死亡率が低下する(※2)」「閉経後の女性は、卵摂取で乳がんのリスクがわずかに上昇する(※3)」という研究結果も発表されています。

これらを踏まえ総合的に判断すると、1日に食べてよい卵の個数は、健康な人は1日1~2個まで。自分や家族が、脂質異常症や糖尿病、がんの病歴がある人は更に控える方が良いと思われます。

また、脂質異常症と糖尿病は互いに悪影響を及ぼす関係性が明らかになっているため、主食(ご飯・麺・パンなど)の適量を守ることも大切です。その他にも、悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やすには、サバなど青背の魚を食べることも有効です。意識してみましょう。


【野菜ジュースは野菜の代わりになる?】

調理が苦手、買い物に何度も行けない、昨今の野菜価格高騰など、さまざまな理由で野菜が十分にとれず、「野菜ジュースを野菜の代わりにしているけど、大丈夫?」という質問をよく受けます。野菜ジュースは加工の途中で、「酵素」「ビタミンC」「ビタミンB1」といった栄養素の何割かが失われてしまいます。特に、野菜ジュースに含まれる「食物繊維」の量は圧倒的に少なく、濃縮タイプ野菜ジュースの100グラムあたり1.0グラムしか入っていません。(※4)

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の食物繊維必要量として、50歳以上の男性は20gグラムを踏まえ、野菜ジュースはあくまでも、野菜不足の補助的なものと捉え、旬の野菜を中心に食べるよう心がけましょう!

ちなみに、野菜は1日に350グラムをとることが推奨されています。350グラムの目安は、生の野菜を両手3杯分の量です。加熱すると、5品(汁物含む)の野菜料理くらいになります。

野菜を使ったレシピを添付しておりますので、ぜひ作ってみてください。


※画像をクリックすると、拡大表示されます。
1日分の野菜の摂取量について、解説をしている画像です。  野菜は、1日に350グラム摂取するとよいとされています。350グラムの目安は両手に乗る程度の生野菜3杯分です。350グラムの生野菜をそのまま食べるのは、なかなか難しいかもしれません。野菜為や味噌汁など、加熱調理をして美味しく摂取しましょう。
善玉コレステロールを増やす方法について、紹介をしている画像です。 善玉コレステロールは、「ごはん・パン・麺」などの主食を適量摂取したり、「さば・さんま・あじ・いわし」などの、青魚を食べることで、増やすことができます。さらに「青魚」はHDLコレステロールの値を下げずに、中性脂肪を減少させることができます。
炊飯器で作る、「野菜たっぷりトマトスープ」のレシピについて、解説をしている画像です。・材料(薬5人分):ミックスベジタブル150グラム、玉ねぎ1個、ベーコン3枚、トマト缶(ホール)1缶、ケチャップ大さじ2杯、砂糖小さじ2杯、コンソメ(キューブ)1個、塩コショウ少々、水400ミリリットル。 「作り方」(1)玉ねぎ、ベーコンは1センチ角に切る。(2)炊飯器にすべての材料と調味料を加え、炊飯ボタンを押す。(3)炊き上がったら、全体をよく混ぜる。(注意:ご家庭の炊飯器によっては、炊飯器で調理できないものもあります。) 「ワンポイントアドバイス」トマトやニンジンといった色の濃い野菜は、皮膚や粘膜の健康を保つ「βカロテン」や、抗酸化作用で免疫力を高める「ビタミンC」が豊富です。また、野菜全般には食物繊維が豊富なので、便秘予防にも役立ちます。
「豚肉ときゅうりとモヤシの、ゴマ酢炒め」のレシピについて、解説をしている画像です。・材料(約5人分):きゅうり2本、もやし1袋、豚肉(こま切れ)200グラム、ゴマ油大さじ2杯、酒大さじ2杯、しょうゆ大さじ2杯、みりん大さじ2杯、酢大さじ2杯、すりごま大さじ3杯。「作り方」(1)きゅうりを5ミリ程度の細切りにする。また、豚肉をひとくち大に切る。もやしは水洗いし、水気をきっておく。(2)フライパンにごま油をひき、豚肉を炒める。豚肉に8割ていど火が通ったら、きゅうり・もやしを加え、さっと炒める。(3)酒・醤油・みりん・酢・すりごまを、炒めた具材と合わせて、全体を混ぜる。「ワンポイントアドバイス」きゅうり・もやしは水分が多く栄養がないと思われがちですが、どちらもカリウムやビタミンCを含みます。カリウムは塩分を体外に排出する働きがあり、血管を強くする効果のあるタンパク質と一緒に摂取すると、高血圧予防に繋がります。ビタミンCは抗酸化作用があり、疲労回復に効果のあるBI(豚肉などに多く含まれている)と組み合せることで、免疫力アップにつながります。さらに、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素は、他食材のビタミンCを破壊してしまうという働きがあるのですが、さっと炒めるか、酢を加えるなどすると、酵素の働きを抑えることができます。

※1:American medical association 2019

※2:Schatz IJ al.Lancet,358:351-5,2001

※3:Breast Cancer.2014 May;21(3):251-61

※4:日本食品標準成分表示2020年版(八訂)

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